東京芸術大学デザイン科大学院卒業後フリーデザイナーとして活動。 感情と香りの要素を対応付けて複雑な感情の仕組みを図、立体、香水で表現しました。 展示経歴 2015年3月 東京芸術大学卒業制作展 2016年5月 青山スパイラルSICF17出品
香りを通して人の感情、機微に触れることはできるだろうか。
嗅覚は人間の感覚の中で最も原始的であり、野性的な感覚である。
言葉で容易に説明できないものや気持ち、現象を嗅覚を通して
僅かでも共感し合うことができれば私たちの世界はもっと広がるだろう。
そこには性別、人種、年齢を超えて共通するものが存在している。
そして、自分に合う香り、場の状況に合わせた香りを纏うことができたら、
それはその人自身の体臭と合わさり個性となる。
相手に与えたいイメージを示したり、そのまま長く記憶に残ることも可能である。
敷居の高い香水の世界を少しでも身近に感じることができればいい。
その道標になればと目指したのが本研究の目的である。
楽しいけれど何だか悲しい。
わたしたちの感情は自分自身でも自覚できないほどに、繊細で細やかな部分もある。
それは日常の生活では必要のない感情なのかもしれない。
しかし、鈍った感覚を呼び覚まし、痛みや喜びを鮮やかに感じてほしい。
ここでは任意で選んだ言葉とそれをイメージした香りを作った。
そして、それらを入れる器を人の肌を想起させるように釉薬を塗らずに磁器で制作した。